最近頻繁に聞く紫外線について、案外知らないことが多いかもしれません。
ここに少しご紹介しましょう。

       

紫外線(UV)対策は、日差しの強い夏になってからすればいいと思っていませんか。

日本では紫外線量は3〜5月にかけて増えています。紫外線が強くなるのは4月〜9月で真夏がピークになります。冬の3〜5倍の量が降り注いでいます。また、雨の日や曇りの日にも紫外線対策は必要です。晴れた日に比べると量は半分程度ですが、紫外線は肌に届いています。とくに雨上がりの曇りや、晴れた日はご用心。つい油断して紫外線を無防備に浴びることになります。

紫外線対策は1年を通して習慣にするのが理想的ですが、春先になったらしっかりするようにしましょう。

また、紫外線は日焼けだけでなく、皮膚の深い部分の細胞にもダメージを与えるので、これにより光老化と呼ばれる現象を引き起こします。

年齢的な皮膚の老化に加えて、20代以降のシミやしわの原因になります。また、紫外線は細胞内のDNAにもダメージを与えるため、将来皮膚ガンを誘発するおそれもあります。

人間は18歳までに一生のうち半分の紫外線を浴びるといわれています。また、幼い頃に紫外線を受ける方がダメージが大きいことも分かってきました。とくに、メラニン色素が定着していない色白の赤ちゃんの日光浴は危険といえます。そのほか、紫外線はまた免疫力を低下させることも分かっていますから、乳幼児期からきちんと紫外線対策をすることが大切です。






地上に届く紫外線には、波長の長いα波(UV−A)と波長の短いβ波(UV−B)があります。

日焼け直後に肌が黒くなり、30分から数時間で消える反応を即時黒化といいますが、この原因になるのがα波です。皮膚の光老化を引き起こします。

日焼けで赤く炎症を起こした肌が2〜3日後に黒くなる遅延黒化の原因になるのがβ波です。皮膚の細胞のDNAに傷を付けます。

α波もβ波も午前10時から午後2時(ピーク時の真夏は午前9時から午後3時)が最も放出量が多く一日に放出される量の約50パーセントが集中しています。この時間帯は危険タイムと考えて、外出をなるべく控えるようにしましょう。


環境でも紫外線の量が違います。
たとえば・・・
 90パーセント以上のUVが雲を通って地上に届きます。

 日陰はひなたよりUVが50パーセントダウンします。

 白雪は約80〜90パーセントのUV−Bを反射します。とくに冬や早春でも、スキーの時は注意が必要です。紫外線の弱い時期でも、量は倍加します。

 地上から300メートル登るごとにUVは4パーセントアップします。
 登山や、スキーで日焼けした記憶のある方もおられるでしょう。

 
砂は約25パーセントUVを反射します。
 95パーセントのUVが水を通過し、50メートルの水面下でUVは40パーセント減少します。
 海辺でも寝そべっていたら、よく日に焼けますよね





それでは紫外線はどうやって防いだらいいのでしょう。
効果的なのは、紫外線が直接肌に当たらないようにすることです。
たとえば、長袖のシャツは半袖に比べて腕に当たる紫外線を90パーセントカットできます。
また、薄い色ほど紫外線が通過しやすくなりますから、黒や赤、青などの濃いめの色がおすすめです。

帽子も必須アイテムです。同じ帽子でも、つばのある・なしで受ける紫外線量が違ってきます。

帽子なし・・・・・100パーセント
ツバ3センチ・・・65パーセント
ツバ5センチ・・・50パーセント
ツバ7センチ・・・40パーセント
       (帽子全体にツバが付いた場合は35パーセント)
ツバ10センチ・・・30パーセント


真夏に長袖長ズボンを子供に着用させるのは難しいので、やはり子供には日焼け止めを塗るのが一番効果的です。まず、子供の肌のタイプを知っておきましょう。

日焼けすると赤くなり、その後に黒くなる、というのが黄色人種の日本人の平均的な肌です。赤くならずに黒くなる色黒の人は紫外線に強い肌です。

逆に、ちょっとした日焼けですぐ真っ赤になる色白の人は要注意です。肌に応じた日焼け止めを塗ることが大切です。
UVカット製品の選び方ですが、まず目安になるのはSPF値です。
これは、何も塗らないで紫外線を浴びたときに日焼けをするまでの時間を1とした場合、その何倍の時間、日焼けを防げるかを示した数値です。β波(UV−B)の防御効果を表しています。日焼けするまでに25分かかるとすると、SPF10なら250分は日焼けをしないということになります。

PAはα波(UV−A)の防御効果を表しています。

基本的に、どちらも数値が高いほど効果も高くなりますが、近所への買い物や洗濯物干しなどの日常生活ならSPF15、PA+程度で十分な効果があるとされています。海や山などのリゾート地なら、SPF30、PA++かそれ以上を選ぶといいでしょう。

ただし、汗で流れてしまうことが多いので、2〜3時間ごとにこまめに塗り直すようにしましょう。顔だけでなく、手の甲や腕にも塗っておくと効果的です。





紫外線と関係し、世界保健機構(WHO)が警告している主な目の病気には
 1)スキーヤーに多い「雪目」
 2)強い光によって結膜組織が鳥の翼のように角膜にせり出してしまう「翼状片」
 3)お年寄りに多い「白内障」
があります。

とくに「白内障」は加齢が大きな原因ですが、ビタミン不足など複雑な要因がからみ合って、紫外線もその一つと考えられています。紫外線の照射量の多い地域に「白内障」の有病率が高いことから、「紫外線の照射量と、白内障にかかる率は比例している」と研究者は考えています。

地球上に届く紫外線のうち、目に有害なのはβ波です。β波は窓ガラスでほぼ遮断することができます。そういう意味で、サングラスをかけることでかなり紫外線を防ぐことができます。

ただし、紫外線は正面からだけでなく、側面はもちろん、照り返しで下からも入ってきます。ですから、顔とサングラスの間に隙間があると、紫外線がレンズに屈折して目に集中的に入ってしまうとのこと。サングラスをかけているから大丈夫と思わないことです。そういう意味で、顔にフィットするタイプが効果的です。また、色の濃いレンズは瞳孔が開いて紫外線が入りやすいので、色の薄い、UVカットのサングラスが適しています。

日光に当たること自体が悪いわけではありません。屋外で遊ぶことは子供の成長を助けることになります。大事なことは、紫外線から皮膚や目を守る意識や習慣を持つことでしょう。子供自身にも、「日焼は健康のしるしではない」ときちんと教えていくことが大切です。

目と肌を効果的に紫外線から守り、夏のレジャーを楽しみましょう。