わが町にしなり子育てネットの3年間とこれから


    
               わが町にしなり子育てネット 代表  小掠 昭



1999年 10月、わが町にしなり子育てネットの結成を目指して 準備会が開かれました。子育てに悩む親たちが気軽に相談しあえる仲間づくりと集える場づくり、それに関係機関や福祉施設が子育て支援をバラバラに行うのでなく、地域の様々な組織や団体と施設や役所が一つになって連携し、子どもたちや親たちと協働して子育てや子育ちにやさしいまちづくりを目指そうというものです。
そのころ私たちの町ではこんな出来事が次から次へと起こっていました。@長引く不況で地方から親子連れのホームレスが西成の町に。A父親のたび重なる暴力で母子が命がけの脱出。B爪がはがれ、指を骨折している男の子のケースで世話をしていた祖母が最近亡くなり、実母は行方不明。義父が引き取ろうとするが虐待が心配。C長期間(3〜4年中学校を不登校の兄と妹のケース。D母子が中学校前の路上で寝ているところを発見され、親子そろって近くの児童施設に緊急保護。これ以外に子どもの養育を半ば放棄しているネグレクトのケース等、数え上げたらキリがない子育ちと子育ての受難の時代です。数年前に発効した子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)はこの町では無縁なのでしょうか。
「相当な生活水準を受ける権利」(第27条)「親からの分離禁止」(第9条)「教育を受ける権利」(第28条)等々、私たちは私たちの町の子どもたちが「子どもの最善の利益」(第3条)を享受できるよう、まずできることから始めなければなりません。

2000年 3月、第1回「子育ての集い」が 梅南・橘集会所で開催されました。ネットに参加予定の子育てサークルのお母さんたちや保育所や児童館などの施設職員、それに家庭児童相談室や保健センターなどの役所のスタッフなど、同じ志を持った仲間たちはその日集まった300人の楽しそうな親子を見て「わが町にしなり子育てネット」の誕生を確信しました。
2000年 5月、ネットの誕生。 区内の子育てサークル.施設.役所等38団体が集まって「わが町にしなり子育てネット」が誕生しました。会の運営ですが、同じ志を持った人(団体)ならだれでも入れるよう会費はとらないことにしました。すぐに西成区社会福祉協議会より活動助成金の応援がありました。おかげで2001年1月にはミニコミ紙「ハギッズ」の第1号を創刊できました。「ハギッズ」は西成区の花「萩」と子どもの「キッズ」を組み合わせたものです。
 翌年3月、第2回「子育ての集い」は会場を区民センターの大ホールに移して開催しました。参加者は500名を越え100名のスタッフは分担して用意した楽しいプログラムとそれぞれの団体のPRに努めました。なによりも多くのお母さんたちに「いつでもどこでもみんなで子育て」のネットの存在を知ってもらえたことが大きな収穫でした。
2001年 5月、2年目 に入ったネットは活動を広げるために社会福祉・医療事業団より助成金(180万円)を受けることにしました。ネットの存在や活動をもっと知ってもらうために「ハギッズ」を奇数月に確実に発行し続けました。7月には編集のボランティアグループ「さくら組」が誕生し名実ともに子育てのミニコミ紙に成長しました。この年の6月、大阪市職労組の主催で「虐待防止シンポジウム」があり、ネットの発表の機会を得ました。7月には西成区社会福祉関係人権活動推進協議会の研修会で報告、翌年2月には全国地域福祉施設研修会で発表、3月には阪神虐待防止ネツトに招かれて報告しました。まだまだ未熟なネットワークですが、作りたくともなかなか出来ない各地の状況を見ていると他区に先駆けてスタートした、にしなりのネットが果たす役割の大きさを感じざるを得ません。

2001年 11月、虐待防止のための研修会 を4回シリーズ開催しました。この後ネットに8つ目の事業別委員会として「虐待防止ネット委員会」が生まれ、2002年12月の「西成区児童虐待防止・子育て支援連絡会議」の発足に向けた活動を開始しました。12月にはネットの目標の一つである子育て支援の場の確保として、玉出西老人憩いの家を地域の関係者のご協力で借りることができ「子育てサロン0.1.2」が誕生しました。以後、たくさんの親子がこの日を楽しみにして、西成子育て支援センターを中心に月1回の活動を続けています。
翌年2月、子どもたちに人気のあるスキップ楽団を区民センターに呼んで「子育て音楽会」を開催しました。3月にはもうすっかり定着した「子育ての集い」(第3回)を開催(区民センター.参加者約500名)しましたが、この日に合わせて区内の主な公園や福祉施設がよく分かる「子育てマップ」を発行しました。これはお母さんたちやネット加盟の施設.団体の職員たちが足を使って調べ上げた労作です。1万部作ったマップは区役所や保健センターに置かれ、広く区民に利用してもらえました。
 もう一つが「ホームページ」の開設です。「子育ての集い」の会場の一角に作られたネットのホームページコーナーではネットの活動が大きく映し出され、参加したお母さんたちの目を引きました。


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